あなたが持ってるブランド品、絵画、それって本物?
「買った物が、ニセモノだった!」
そんな経験をしたことはありませんか?
私の知り合いに、海外で購入した物が本当に本物なのかを知りたくて質屋に行った方がいます。特に海外で買った物は、はたして本物なのか不安ですよね。
しかし実は、売る側もニセモノとは知らずに売っていた、なんてことがあるんです。売った本人にそのつもりがなくても、法律的には違法になります。なので、注意が必要です!
今回は、本年5月10日~12日の3日間、東京ビックサイトで開催された大型イベント「第4回 ブロックチェーンEXPO【春】」の展示会でお会いしたサイカルトラスト株式会社の須江社長にインタビュー!
展示会では須江社長ご本人が自らブースに立ち、現在行っている事業についてご説明いただきました。そのお話があまりに興味深いものでしたので、この度、より掘り下げてインタビューをさせていただきました。
最も興味深かったのは「OpenSea」などの他社サービスを一切利用せず、独自開発された「サイカルNFTマーケットプレイス」をローンチされている点。通常の「NFTマーケットプレイス」では、「サイバー財(デジタルコンテンツNFT)」のみの売買しか行えません。それに対し同社のマーケットプレイスでは、当該「サイバー財」だけではなく「フィジカル財(物理的な商品に独自ICチップを埋入したもの)」も購入可能。それだけではなく、その両方の「サイカル(サイバー×フィジカルの同社造語)財」をも同時購入できるという他社とはまったく異なるコンセプトにより実装されている新しい形式での「NFTマーケットプレイス」となっています。
たとえば、ある画家が描いた絵画としての「サイバー財(NFT)」を購入したとします。すると、それとまったく同じ絵画のリアル・物理版としての「フィジカル財」がお手元に届くといった業態です。しかも、前者の「サイバー財(NFT)」と後者の「フィジカル財」とを同社の「専用スマートフォンアプリ」で読み込むと「真贋証明」および「サプライチェーン(トレーサビリティ)」情報が確認できるという優れもの。これにより、「贋作・模倣品・偽造品」などといったものが一切制作不可能となっており、半永久的に「真贋」を証明し続けることができるとのことです。
このように「ウソ・偽りのないトラストな世界を」というヴィジョンを具現化するサイカルトラスト株式会社の須江社長からお話いただいた斬新な「NFT」の利活用方法に関する記事になります。「NFT」 のご購入をお考えの方はぜひご参考にいただければ幸いです。
写真左:代表取締役 須江 剛/Takeshi Sue (写真右:Dx Manager 宇野 めぐむ/Megumu Uno)
話者:サイカルトラスト株式会社 代表取締役社長 須江 剛
大学卒業後、某大手ショッピングモール運営企業へ入社。
13 年間在籍した後、フリーランスとして 3 年間 EC コンサルタント事業を運営。
2020 年、cycaltrust(サイカルトラスト) 株式会社を設立。
2020 年 一般社団法人 日本エストニア商工協会 副事務局長 就任。
代表の思い
大学卒業後に大手ショッピングモールでカスタマサポートを務めていた須江社長。
そこで、世間ではホンモノだと思っていたブランド品がニセモノだったという被害が多発していることを知りました。調べていくと、売る側も仕入れているブランド品がニセモノだということを知らずに売ってしまっていることが多いことが判明。
さらに、全世界で偽造品の被害額が515兆円もあり、その額は年々に増加傾向にあるということもわかりました。
「どうしたら被害を無くしていけるだろう?」
そう思った須江社長は、ここでブロックチェーンと邂逅。
ブロックチェーンが存在しない時代は、自社の従業員が不正をすること、ウソをつくことができ、もうどうにもならないことがありました。その後、ブロックチェーンが世に出ることにより、自社の従業員ですら不正やウソをつけない仕組みが構築可能であることを知りました。
「ブロックチェーンを使って、ブランド品のニセモノ対策ができるのでは?」
「ブランドメーカーが導入すれば、世の中からニセモノが無くなるのでは?」
誠実で真っ直ぐな須江社長の「ウソ・偽りのないトラストな世界を」という思いがきっかけで起業に至り、現在は「NFT」を主眼に置いた事業で邁進しておられます。
NFTとは?
ホンモノはどれか、作成者は誰なのか、所有権は誰のものになるのかが明確に
・ブロックチェーンによって、情報の改ざんが不可能
・そのコンテンツがいつ、誰の手に渡って、今誰の手にあるのかが明確に
取引内容が記録される
ブロックチェーンでトラストな世界へ
サイカルトラスト株式会社は、とても重要性の高いブロックチェーン技術を利活用し、いろいろな企業が抱えている問題の解決に向けてご提案するブロックチェーンシステム開発企業です。
ブロックチェーン
・サービスを提供する側でも、記録されたデータの偽造や消去はできない
・システムダウンもせず、偽造が困難
すぐ検出できる すべてのデータを偽造しなくてはならない
(地球事コピーするような膨大な作業をしなくてはならない)
・消えないものなので、書き換えや紛失のリスクはなく、正しい記録を残すことができる
法律ができたタイミングをチャンスに
須江社長は特許を国内外複数取得しています。
特許というのは、発明を保護する権利のことをいいます。
たとえば、自分が一生懸命努力して開発した技術が他の人にすぐ真似されてしまったら、発明する気力が失せますよね。なので、発明に関するモチベーションの低下を防ぎ、迅速に発展していくよう、発明に関する権利を保護するためにあります。
Web2.0の時代は、真贋証明(しんがんしょうめい)が難しいとされていました。というのも、Web2.0の時代はブロックチェーンがないので、自社の従業員が不正をしてしまったらもうどうにもならない時代です。その後Web3.0の時代はブロックチェーン技術が主体となり、自社の従業員ですらウソをつけない、そういった仕組みが出来ます。
真贋証明は、ある商品がいつ、どこで、誰の手によって、どうやって製作されたのか、そしてそれらの情報は正しいのか、ということを証明することをいいます。
また、サイカルトラスト株式会社はサプライチェーンと真贋証明が連結担保させている、というところが最大の強みになっております。
サプライチェーンは仕入れから出荷、材料調達、製造、販売、消費などの一連の流れを指す言葉です。
私たちの生活の中で目にする、手にすることが多いのは、スーパー等の食料品店の商品や生活用品、コンビニのお弁当やおにぎり等があります。このような商品がどのようにして私たちの生活の中で手にすることができているのか。こういった商品は1つの材料から作られているわけではなく、様々な原材料や部品などを組み合わせて作られています。そこから量販店や小売店に運ばれていく、またはネット通販などの店舗で販売されていきます。
このような生産者から消費者に届くまでの一連の流れのことを、サプライチェーンといいます。
令和 4 年 5 月 11 日に可決・成立した経済安全保障推進法
経済安全保障推進法には4本柱というものがあります。
1.供給網の強化→施行→公布後9カ月 半導体など戦略物資の国内調達を財政支援。 調達先や保管状況を国が管理。 |
2.インフラの安全確保→施行→公布後1年6カ月~1年9カ月以内 電気や金融など14業種で国が導入設備を事前に審査。 サイバー攻撃のリスク軽減。 |
3.先端技術の官民協力→施行→公布後9カ月以内 AIや量子の研究開発に国が資金支援。 官民協議会を設け情報を共有。 |
4.特許の非公開→施行→公布後2年以内 軍事転用の恐れがある技術の流出を防ぐ目的で、一部の特許情報を公開せず。 |
1.供給網の強化というのは、戦争に使われる物資の管理についてです。
こういった物資が流れていないか、ちゃんと担保してくださいね、
ちゃんと担保しなと危ないですよ!という法律になります。
2.インフラの安全確保というのは、導入設備を国が事前に審査する重要インフラが14種あります。
重要インフラ
・情報通信 ・政府・行政サービス(含、地方公共団体)
・金融 ・医療
・航空 ・水道
・空港 ・物流
・鉄道 ・化学
・電力 ・クレジット
・ガス ・石油
特に航空と空港で怖いことは…
航空機関でも半導体やインフラ、サーバーを持っていますが、そこにサーバー攻撃されてしまうと飛行機を国会議事堂に落とすなどの重大なテロ行為がができてしまいます…!そういった恐れもあるので、重要インフラの14種はとても敏感になってるそうです。
地政学的リスクでとても危険な世の中なので、まずはサイバー攻撃から守ります。重要インフラの企業は絶対基幹インフラサーバーを守ってくださいね!ということで、同社は供給網の強化(サプライチェーン強靭化)と基幹インフラの真正性担保をまずは主眼においています。
ところで、法案成立後、施行期間までの期間があまりにも「短い!」と思いませんでしたか?? これだけ期間が短いので業界はとてもパニックに陥っているようです。
公布後9カ月以内と言われても…もう期間過ぎていしまっている!!
サイカルトラスト株式会社は、ブランド品などのニセモノを無くしたいという思いからブロックチェーン技術を利活用したシステムを作り始めていたため、この頃にはすでにシステムは完成しています。そこでたまたまこのような法律ができたタイミングで、「我々のシステムを応用できる!」と思い 4 本柱の 2 つはサイカルトラスト株式会社の事業であり、強みになっております。
キーワードはマルチシグ認証
サイカルトラスト株式会社では、先述の通り「サイカル NFT マーケットプレイス」事業を行っています。その利用方法は、以下の通りです。
①「サイバーNFT」
「サイバーNFT」とは、ブロックチェーンを土台に発行された、替わりの効かないデジタル的なデータのことをいいます。
購入と同時に商品がNFT化されて、自社アプリのマイページにQRコードが記載されます。
商品ではなく、商品のNFTを購入した状態です。
②「フィジカルNFT」
「フィジカルNFT」とは、ブロックチェーンを土台に、鑑定証明チップを埋め込み、貼り付けなどした唯一無二のアナログ的な物体のことをいいます。
その後、商品がお手元に届きます。こちらの商品に鑑定証明チップが埋め込まれています。
③「サイカルNFT」
「サイカルNFT」とは、「サイバーNFT」と「フィジカルNFT」を掛け合わせたNFTのことをいいます。
購入時に発行された商品のQRコードと、鑑定証明チップが埋め込まれているお手元に届いた商品を自社アプリ、「サイカルNFTマーケットプレイス」のマイページにて読み込みます。
鑑定証明チップとNFT化された画像のQRコードは連携されているので、2つを読み取ることでこちらの商品はホンモノだということが証明されます。
インタビュー時に実際に色紙を使って、試してみました。
スマホで「サイカルNFTマーケットプレイス」のマイページを開き、色紙に付いている「鑑定証明チップ」を読み取ります。次に購入時に発行される「QRコード」も読み取ります。すると、読み取り完了の音がなり、この商品はホンモノだということが証明されます。スマホ1台で24時間いつでも鑑定できるので、とても簡単で便利でした!
須江社長からのメッセージ
本物だと思い、偽物を売買した経験はありませんか?
偽物を購入しまうと、販売者が悪いと思う方が多いかと思いますが、売る側の人も偽物だと知らずに仕入れていることがあります。
そんな被害者の被害額は515兆円。この515兆円を0円にしたい、偽物を無くしたいと思い、サイカルトラスト株式会社でブロックチェーン技術を取り入れました。
サイカルトラスト株式会社は、極めて重要性の高いブロックチェーン技術を利活用し包括的なブロックチェーンソリューションをご提供するシステム開発企業です。当初は、サイカルトラスト株式会社を立ち上げるための特許取得がとても大変でした。
まだエンジニアもいない状況ですし、そもそもNFTを認知していない方の方が多かったと思います。
現在NFTが流行り始めておりますが、当時はNFTと聞くと、「危ない」「詐欺」というイメージを持つ方が多いため、本来のNFTを認知していただくこともとても大変でした。現在は取得した特許が強みになり、NFTも流行りはじめてきたので必要さが伝わりやすくなりました。
ただ、NFTには詐欺がたくさんあることも事実です。ご購入される際は真正性が担保されたNFTを選ぶことをおすすめします。
また、今後の目標としては、世界の作品・モノの偽物がなくなるように、サイカルトラスト株式会社の強みを世界に広げていきたいと思います。いろんな企業に横展開し、日本だけではなく世界に広げていくことが弊社の目標です。ブロックチェーン技術を利活用して人類と社会の生活文化に貢献し、ウソ・偽りのないトラストな世界を作ります。
後記
須江社長、宇野様、
お忙しい中インタビューをさせていただきありがとうございました。
「ウソ・偽りのないトラストな世界を」という貴社のヴィジョンに惹かれ、より知りたいと思いインタビューをさせていただきました。
ブランド品のニセモノを無くしたいというきっかけを聞けたこと、とても嬉しく思います。
私はNFTを購入したことはありませんが、貴社の自社サイトアプリや「サイカルNFT」を使用すれば、ニセモノを購入してしまうこともなく安全なんだなと思い、とても興味が湧きました。
貴社の事業を大手メーカーさんが導入したら本当に世の中のニセモノが無くなり、「ウソ・偽りのないトラストな世界を」というヴィジョンが実現できるので、515兆円分の被害額も0円になり、ブランド品や美術品などのお買い物がより楽しくなると思いました。
「サイカルNFT」を利活用してニセモノが世に出ることを無くす、皆さんも「サイカルNFTマーケットプレイス」を試してみてはいかがでしょうか?
サイカルトラスト株式会社の事業が日本だけでなく世界に広がり、世界の模倣品・偽造品がなくなることを心からお祈り申しあげます。
貴社の今後の発展を楽しみにしております。