仮想通貨の種類は、市場が低迷していると言われる2018年後半から現在に掛けても増加し続けている。しかし、実際に有用な仮想通貨及びブロックチェーンプロジェクトは限られているのが現状だ。また、仮想通貨の取引高がトップレベルの日本でも、代表する日本の仮想通貨は少ないと言えるだろう。
そのような仮想通貨市場を取り巻く状況の中で、JBCOINは日本で使用されることを基本として開発された。ここでは、JBCOINがどのような通貨であるのか、その概要や特徴について解説する。

1.JBCOINとは

JBCOINは「Japan Brand Coin」の略称であり、日本で使用される・日本の独特の文化である「間」を意識した仮想通貨である。JBCOINを開発しているのは、ブロックチェーンネオ・ジャパン株式会社であり、2018年2月から本格的に事業を開始している。
2019年1月にはオリジナルブロックチェーン開発が終了し、元々完成していたJBcoinからバージョンアップしたブロックチェーンが誕生した。
手数料と送信速度、秒間トランザクションはビットコインよりも早く、決済機能はもちろん既に決済可能な実店舗が100店舗以上存在。
主な特徴として、個人情報、SNS、ニュース、娯楽などの情報を一括管理するプラットフォーム「OCHANOMA」がある。
また、プラットフォーム内で独自通貨を発行することが可能であり、ウォレットを使用した分散型所の役割を果たすことも可能である。

◇JBcoinの基本スペック
発行枚数;100億枚
時価総額:50億円
送信速度:3秒
手数料:無料
取引処理件数:2000件/秒
決済可能店舗:100店舗以上
上場取引所:HitBTC、CoinExchange、ForkDelta
ホルダー数:10,000人

1-1.「間」の提供と個人情報の保護
JBCOINは、決済通貨としての機能性を果たすのみでなく、新しいプラットフォームとしての役割を提供する。特に「OCHANOMA」と呼ばれるシステムは、他の仮想通貨にはないものである。

このようなコンセプトのもとに、OCHANOMAを利用する人々に対して、個人情報の管理、個人のニーズに沿ったニュースやSNSサービス、娯楽・買い物などの情報を一元管理することが可能である。この一元管理システムは、「JBC(JBコンシェルジュ)」と呼ばれるものであり、OCHANOMAの内部に搭載されている標準的な機能であることから、プラットフォームとしてのJBCOINは斬新な仮想通貨と呼べるだろう。

例えば、JBCOINのブロックチェーンによる個人情報の管理などにおいては免許証やクレジットカードを持ち歩く必要がなく、ブロックチェーンによる個人認証が可能となる。

1-2.ブロックチェーンによる著作権の保護と配信
JBCOINは、ブロックチェーンによる著作権の保護についても力を入れていく予定だ。
著作権に関しては、世界中で流出が叫ばれており、法律で規定されているとしても海賊版を見つけることは容易に可能な状態にあると言える。
そのような状態となっている中で日本のデジタルコンテンツに対して、JBCOINはブロックチェーンによって著作権の保護を行っていくことが構想として存在する。

また、JBCOINは既にHITBTC・CoinExchange・ForkDeltaなどに上場しているだけでなく、既に決済通貨として100以上の店舗で使用することが可能。今後もその店舗数は増加していくであろう。

2.JBCOINが目指すもの

JBCOINは、JBC Ledgerと呼ばれるRippleのXRP Ledgerを基にしたシステムを使用。取引に対して、決められた取引承認者をおくことによって管理するものであり、通貨としての決済スピードを速め、マイニングによる競争を無くすことが可能である。

そのうえでJBCOINは、新しい経済圏の創出を目指す。OCHANOMAを使用することによって必要な情報だけでなく、関わる人も自分で選択し、個人情報などの重要な情報や資産、知的財産などあらゆる情報をJBCOIN内で管理することが可能だ。そのため、JBCOINが目指す経済圏が実現した場合、同じ意見を持つ人々によって独自のライフスタイルや思想を尊重した生き方も可能になる可能性が高い。

プラットフォームとしてのJBCOINに関しては、クイックJBCと呼ばれるシステムを実装する予定であり、小口の送金や融資、支払いに関してもワンクリックで完了することが可能。加えて、広告費などに関してもJBCOINが代わりとなるシステムも実装予定であり、広告費などに対して中間業者が居ないことから、正当な報酬が広告主やユーザーに支払われることになる。

決済通貨として使用できる店舗を数千店舗まで増加させ、デビットカードとの連動、ECサイトにおけるJBCOINの使用などの機能性を獲得し、アジア及びヨーロッパ、アメリカなどにも経済圏を広げていくことから将来性は非常に高い仮想通貨だといえるだろう。

◇決済可能店舗の一例

◇ロードマップ
2019年3月 加盟店400店
2019年4月 イーサリアムから先進的オリジナルブロックチェーンに移管
2019年4月 電子書籍販売、作家募集サイト開設
2019年4月 著作権管理会社を設立、大手出版社が権利を有する作品の取り扱い開始
2019年12月 加盟店1,000店
2020年3月 デビットカード決済開始
2020年3月 加盟店決済端末の導入
銀聯カード、Alipay(アリペイ)、 WeChat Pay(ウィーチャットペイ)も対応可能に
2020年12月 加盟店10,000店
2022年10月 「OCHANOMA」サービスの開始
様々なSNSやアプリケーションと紐づけ、自身に適した情報を収集、提案してくれる
「JBC(JBコンシェルジュ)」で、あらゆる情報を一元管理

3.ウォレットとしての役割


JBCOINでは既に独自のウォレットであるJBwalletが作成されており、Android及びiPhoneで使用することが可能だ。ウォレットの特徴としては、ウォレット内からJBCOINを使用して商品を購入することが可能であり、独自のセキュリティーシステムであるパスフレーズを備えている。
また、ユーザーだけでなく、店側も送金リクエストをユーザーに送ることが可能であり、資産の管理が容易となる。

◇JBwalletの機能まとめ
・スピーディーな決済
・簡単アクセス
・利便性
・豊富な機能
・安心・安全
・便利で手軽な毎日に

4.JBCOINの今後

JBCOINは、非常に機能性に優れた通貨であり、プラットフォームとして、人権の保護・ユーザーの個人認証、コンテンツの保護、ユーザーに合わせた情報の取捨選択など決済通貨のみでなく、人々をプラットフォームでつなげる役割を果たすことが可能になる可能性がある。

また、JBwalletは一番心配されるセキュリティー面も一段階高くなっており、ウォレット内で商品を購入できる利便性も兼ね備えている。

JBCOINは、大手企業が著作権を持つ作品もプラットフォーム内で対価を支払うことで提供・配信することも目指していることから、日本のコンテンツ業界に対して大きな革新を促す可能性を有してると言えるだろう。

日本の仮想通貨と言えば、一般的にはモナコインくらいしか広まっていない。このような生活を便利にしたり悩みを解決してくれる技術を備えたブロックチェーン技術の誕生には期待が持てる。