【2018年12月10日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)は、ブロックチェーン技術を用いて世界的な課題を解決することを目的に、ユニセフ・イノベーション・ファンドを通じて途上国や新興国の6社に対して投資を行うことを発表しました。
ユニセフ・イノベーション・ファンドはAtix Labs、Onesmart、Prescrypto、Statwig、Utopixar、W3 Engineersの6社に対し、上限10万米ドルの投資を行います。
世界50カ国、100件以上の申請の中から選ばれたこの6社は、保健ケアの実施における透明性、手の届く価格での携帯電話サービス、社会的影響のあるプロジェクトへの資金や資源の融資といった、世界的な問題に対するプロトタイプやシステムの構築に取り組み、現在すでにファンドが投資を行っている、データ科学や機械学習、バーチャル・リアリティ、ドローンといった分野に携わるテクノロジースタートアップ企業20社に加わります。
「ブロックチェーン技術はまだ初期の段階にあるため、これから多くの実験や失敗を繰り返し、この技術がどのような場面で活用でき、世界を良くしていけるのかについて学んでいかなければなりません」ユニセフ・ イノベーション部門プリンシパル・アドバイザーのクリストファー・ファビアンは述べました。「ユニセフ・イノベーション・ファンドが投資しているのは、まさにこの段階です。私たちが、資金の調達や技術的なサポート、弱い立場に置かれている人々に焦点を当てることによって、可能な限り公平かつ公正な方法で技術の成長・成熟を助けることができます。
・Onesmart(メキシコ):新興市場における資金の不正流用に対処し、国の社会サービスを確実に子どもや若者に提供するためのプロトタイプのアプリケーション開発
・Prescrypto(メキシコ):途上国における電子処方箋の不足に対しデジタルによる解決策を提供し、医療従事者による患者の診療履歴への閲覧を一元化し、医療ケアの水準を向上させる
・Statwig(インド):サプライチェーンの管理システムの強化を通じて、ワクチンの効率的な供給を実現する
・Utopixar(チュニジア):コミュニティや組織のための参加型意思決定プロセスや価値の転換を促進するためのソーシャルコラボレーションツールを提供する
・W3 Engineers(バングラデシュ):SIMカードやインターネットへの接続を不要とするオフラインのモバイルネットワーキングプラットフォームを通じて、難民、移民のコミュニティ内でのつながりを向上させる
これらの投資は、組織の効率を上げるためのスマートコントラクトを用いて、分散型の意思決定プロセスを作成し、アメリカやユニセフの活動する国々で分散台帳技術(distributed ledger technology:DLT)の知識を育み、理解を促すためのユニセフの大規模なブロックチェーンプロジェクトの一部です。
スタートアップ企業への投資に加え、ユニセフ・イノベーション・ファンドは製品・技術サポート、ビジネスの成長におけるサポート、専門家やパートナー企業とのつながりを持つための機会を提供します。また、投資を行った企業に対して2回目の投資機会やサポートを積極的に探究し、ユニセフが活動する190以上の国と地域での取り組みを目指し、規模を拡大するための機会を模索します。
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)