こんにちは。編集部員の望月です。
10月24日、「BlockChainJam2020」のオンラインイベントに参加しました。
ブロックチェーンの基本的な話から始まり、各プロジェクトの取り組みや技術的な内容など、沢山の貴重な話が伺えました。
Twitterではキャンペーンに参加する方、感想を投稿する方、登壇者スピーチの補足説明をしてくれる方など、皆が随時情報発信されていて、盛り上がりをみせていました。

それではイベントの一部をご紹介します。

ブロックチェーンのおさらいと最新の動向
木村 優氏(株式会社LCNEM CEO/CTO)

ブロックチェーンをまだ理解しきれていない方を対象に、ブロックチェーンを構成する主な3つの技術について、わかりやすくお話されていました。それは①デジタル署名②P2Pネットワーク③インセンティブ設計です。
聞き覚えはあるけれど完全に理解出来ていない用語の意味が明確になりましたし、間違った認識を正すことが出来たので、このような説明を最初にしてくださったおかげで、その後の理解もスムーズにいき、非常に助かりました。
秘密鍵、公開鍵をインクと薬品に例えてお話されるなど、身近にあるイメージしやすい物に例えて解説されていました。
また、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決する、レイヤー2スケーラビリティソリューションとして、Lightning NetworkとPlasma、インターオペラビリティについても触れ、CosmosやPolkadotの特徴をざっくり知る事が出来、イベント後半のスピーチも聞きたくなる様な内容でした。

ブロックチェーンと貨幣の今後を考える
柳川範之氏(東京大学大学院 経済学研究科教授)

「改ざんされない記録が残せる」、「参加者が記録を同時に見る事が出来る」と言うのがブロックチェーンの特徴ですが、この特徴が貨幣と言う観点で、どのようなビジネスチャンスをもたらすのかを詳しく説明されていました。
印象的だったのは、物の取引だけではなく金銭化できなかったものをポイント化、トークン化できることです。
例えば、「地域貢献活動」「ファンとしての熱意」「いいね」等の金銭的な取引が難しかったコンテンツをブロックチェーン上に記録してマネー化することで、社会貢献活動がより広がっていくだろうと語られていました。特に地域通貨においては、このような点が可能になるとお考えになられているようでした。
より重要な点としては、このようなものが誰かにコントロールされることなく、自動化されていく世界であること。儲ける為のマネーではなくて、社会がよりうまくいくためのマネー。記録できることで、マネーの世界を変えることができれば、より大きな発展が見込めるのではないかとお話されました。

ブロックチェーンを国家戦略に
加納裕三氏(株式会社bitFlyer共同創業者/株式会社bitFlyer Blockchain代表取締役)

現在、ブロックチェーンの普及率が高まってきて、非常に良い段階に来ていると述べられていました。
ブロックチェーンに対するネガティブな反応も多いですが、ブーム前の前兆と捉えていらっしゃり、数年前の仮想通貨と同じ現象が起きていると、語られていたのが印象的でした。
以下の3点の戦略をご紹介されていました。

①ブロックチェーン特区
起業家、大企業、行政、役所、政治家、会計士、弁護士、税理士、ベンチャーキャピタル等が1か所に集まることで、各自の能力にフォーカスすることができることや、イノベーションを起こす際に非常に有益となりうることを話されていました。

②CBDC試験導入
1年間の期限付き概念実証です。もしスマートコントラクトで1年後に必ず日本銀行券と交換できると約束された状態であれば、安心して使うことができる為、試験導入を提案されているそうです。

③行政システムのブロックチェーン化
ブロックチェーンで利便性・セキュリティの向上、コスト削減に寄与していく戦略です。
1つのデータを書き換えれば、全手続きが終了するワンストップ、ワンスオンリー制度の実現。
住民票を書き換えた後、銀行、ガス、水道、クレジットカード等の手続きを自分でやらなくてはならない時代を終わりにしたいと述べられていました。

後記

一部ですが、登壇者のスピーチをご紹介させていただきました。
ブロックチェーン素人の私はどこまで話についていけるか不安でしたが、終わってみれば楽しく学べた1日となっていました。
実現性はさておき、自分の生活がこれから具体的にどう変わっていくのか、または変えられるのか、想像しやすくなったように感じます。
知識が追い付かず理解まで至らなかった内容も一部ありましたが、登壇者の皆さまの分かりやすい説明と創意工夫された運営のお陰で、私のような素人でも興味を持って聞けるイベントでした。
時々登場するベニぐまくんやヒーリング音楽にも癒されましたし、最後に仮装して登場した3人には思わず笑ってしまいました。
お聞き逃した方は、You tubeでアーカイブ配信を行っておりますので、是非一度御覧になってはいかがでしょうか?